トップメッセージ
サステナビリティ
高水準の収益力を以て、新中計では一層の高みを目指す
当社は2022年度に長期ビジョン「ISHIZUKA GROUP2030」と、その実現に向けた2024年度を最終年度とする2024年度中期経営計画「変化するスピードに負けない」を発表しました。当時は新型コロナウイルス感染拡大の渦中にあり、将来の事業環境が予測できない状況でした。その難局をスピード感を持って乗り切ると決意を固め、収益を上げられる筋肉質の企業体質へ経営基盤の強化を図ってきました。結果、2023年度には連結営業利益54.5億円と「ISHIZUKA GROUP2030」の計画を前倒しで達成でき、2024年度も目標値である営業利益35億円を上回るなど、この3年間は難しい舵取りを求められましたが、上々の結果を残すことができました。
この成果を土台に2025年4月に、長期ビジョン「ISHIZUKAGROUP 2030」をアップデートするとともに、2027年度中期経営計画(新中計)をスタートさせました。人口減少や消費者ニーズの変化に伴い、ガラスびんや食器などの市場は縮小傾向にありますが、過去3年間で培った収益力をさらに押し上げるべく、新中計では「新たな領域への挑戦」をスローガンに掲げました。
すでに新たな挑戦は始まっており、2025年1月にパウチ飲料充填事業の操業開始、岩倉工場では溶融炉の排熱を利用したコーヒーの試験栽培を始め、新領域での事業開拓に着手しています。
中堅・若手人財の躍動を促しつつ、高い視座を備えた次世代人財を育成
「企業は人なり」と言われるように、経営資源であるモノ・カネ・情報の価値を最大化できるのは、ヒトにほかなりません。持続的な成長と企業価値の向上にとって、人財育成は最も重要な課題です。当社はシニア層の比率が高く彼らが定年退職を迎えるまでに、次代を担う人財育成を急がねばなりません。前中計では若い社員に責任と権限を委譲して自発的なプロジェクトで成長を促す「未来挑戦部」を創設しました。参加メンバーからは「部門の垣根を越えて業務に関わり視野が広がった」と好意的な声が多数寄せられ、人財育成の場としても大きな期待を寄せています。その成果を踏まえ、「高い視座を備えた次世代人財の育成」という一段階発展させた内容を新中計に盛り込んでいます。
モノづくり企業を支えているのは、製造現場で働く従業員です。彼らを対象にした技能職研修を7年にわたり続けていますが、まだまだやるべき課題はたくさんあります。長く同じ現場にいることで視野が狭められているとも指摘されます。自分の現場しか知らない井の中の蛙から脱却し、外部の刺激を受け視野を広げて成長できる機会をつくらなければなりません。他の製造現場を訪問し、自身の現場と比較したり、他の製造現場で働く従業員と話したりすることが、視野を広げる機会になっています。研修を受けた従業員同士が仲間となり、組織全体で改善活動が動き出すことにつながりつつあります。今後もこの技能職研修を継続・強化していきます。
あわせて、これまで手薄だった部長クラス、総合職を対象にした研修の充実も検討しています。今後実施する研修は、自分自身が置かれた立場から、さらに高い視座を目指すことを目的とし、経営的側面から物事を捉えられる人財を育成していきます。
長期ビジョン達成は道半ば、定量目標を明示してCO₂排出量削減を加速
長期ビジョン「ISHIZUKA GROUP 2030」では「環境と調和した持続可能な未来社会への貢献」を主題に、2030年度CO₂排出量削減目標を掲げました。目標達成を見据えて2023 年度にSBT認定を取得し、取締役会の指揮下に脱炭素ワーキンググループを設置して、CO₂排出量削減の取り組みを推進してきました。
ガラスびん事業の合理化に伴い姫路工場をガラスびんから再生PET樹脂を活用したプリフォーム製造拠点に転換したことは、水平リサイクルによるCO₂排出量削減と石油資源を節約するサーキュラーエコノミーに大きく貢献します。
また新中計では「2027年度までにScope1+2を30%減」と定量目標を明示しました。新たに設置したロードマップ委員会の主導により、事業の特性に考慮しながらグループ全体で削減目標の達成を目指します。Scope3についても目標設定に向けて準備を進めており、関連するステークホルダーと連携しながら、排出量の少ない原材料の調達によるCO₂排出量削減を軸に進めていきます。
受け継いできた精神を引き続き体現し、皆さまに末永く喜んでいただける企業
当社は1819年の創業以来、200余年におよぶ長い道のりを歩んできました。その間、社会や事業環境は変化を繰り返してきましたが、それでもなお当社が世の中から必要とされる企業であり続けていられるのは、お客さまの期待に対して真摯に向き合いながら、価値あるモノづくりに邁進し、世の中の変化に適応してきた結果に他なりません。企業理念で掲げる「誠実」「挑戦」「成長」に通じる、連綿と受け継がれてきたその精神を拠り所に、企業の使命として、「中期経営計画2027」や「ISHIZUKA GROUP 2030」で社内外に対して交わした約束を着実に果たしていきます。そして、引き続き、従業員やお客さま、株主をはじめとしたステークホルダーの皆さまに末永く喜んでいただける企業を築き上げてまいります。


