トップメッセージ

サステナビリティ

代表取締役 社長執行役員 石塚 久継

社会に「豊かさと安心をお届けする」ために、
脱炭素社会に向けた取り組みを進めます。

代表取締役 社長執行役員

石塚 久継

コロナ禍での経験を糧に、合理化による筋肉質の企業体質へ

当社は企業理念で「誠実」「挑戦」「成長」の3つの約束を掲げていますが、この1年は「挑戦」を意識せざるを得ない年でした。

2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に始まり、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の暴騰、急激な円安など、わずか数年のうちに世界情勢が大きく変わりました。この変化が事業におよぼす影響は大きく2022年度の売上は厳しい状況で推移しました。しかし、こうした逆風を考慮すれば、減益になったものの営業利益22億円という数字には一定の価値があるととらえています。

2023年度に入り新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う行動制限が緩和され、経済活動に持ち直しの兆しが見えてきました。今後はここ数年の経験を活かし、「2024年度中期経営計画」のテーマとして掲げている「変化するスピードに負けない」を全社のスローガンに、成長に向けての挑戦を加速コロナ禍での経験を糧に、合理化による筋肉質の企業体質へさせます。2022年に公表した長期ビジョン「ISHIZUKA GROUP 2030」では、2030年度に連結営業利益50億円を目標として掲げました。50億円は非常に高いハードルであるものの、困難に立ち向かってこそ道は開かれると信じています。

その挑戦として、合理化により高収益で筋肉質な企業へと転換するため、事業の方向性を大きく見直しました。これまでガラスびん製造の主力工場であった姫路工場の閉鎖と、その跡地に日本パリソン(株)のPETボトル用プリフォーム(PETボトルの中間製品)姫路工場の2024年度稼働に向けて準備を進めています。かねてからガラスびん事業は市場の縮小により生産の合理化を迫られていました。その解決策としてガラスびん事業では、岩倉工場の溶融炉を省エネルギー型の炉に改修することで製造コストの低減に取り組み、岩倉1工場体制への移行と収益基盤の確立を図ります。一方で脱炭素を背景に需要が急増している再生PETボトル用プリフォームの増産体制を整えるため、姫路工場新規稼働に向け準備を進め、脱炭素社会の実現という社会からの要請に応えていきます。

2030年度CO₂排出量50%削減の達成を社員とともに

長期ビジョン「ISHIZUKA GROUP2030」では、「環境と調和した持続可能な未来社会への貢献」を目標として掲げています。エネルギー多消費産業の当社にとって、CO₂排出量削減は取り組むべき重要な課題です。このため2022年度に脱炭素ワーキンググループを社内に設置し、削減目標と削減のためのロードマップについて検討してきました。2023年6月にSBT認定を取得し「2030年度CO₂排出量Scope1+2において50%削減(2020年度比)、Scope3において25%削減(2020年度比)」とするCO₂排出量削減目標をコミットしています。

これは当社の顧客である飲料メーカーからの削減要請に応えることはもちろん、企業理念・わたしたちの使命に「くらしに彩り、豊かさと安心をお届けします」とある通り、皆さまの暮らしへの気候変動の影響を最小限に抑え、安心な社会を築くことに貢献するためです。

CO₂排出量の削減には大きな労力も伴いますが、目標達成と持続可能な成長を両立させた判断は経営の責任として着実に実行していきます。一方で全社員が日々の仕事のなかで創意工夫して進める取り組みなしでは目標達成は難しいと考えています。

当社の社員の多くが生産の現場に関わっています。これまでも省エネルギーの取り組みを地道に積み重ねてきましたが、いま掲げている年1%の省エネルギー活動に全社一丸となって取り組んでこそ達成できる目標です。脱炭素の取り組みを社員が企業の責任として認識できるよう、環境意識の啓発に努めていきます。

20年、30年後の石塚硝子をけん引できる未来のリーダーを育てる

ここ数年は社内外に向けて人財を育てることの大切さについてメッセージを発信してきましたが、2022年度には未来を見据えた人財育成を進める組織改革を行いました。

当社は事業部の壁を越えた組織横断的なプロジェクトで課題を解決するCFP(Cross Functional Project)の取り組みを行ってきました。それを発展させる形で若い社員に責任と権限を移譲し、事業部間のシナジーを活かせる組織づくりと長期的な視点から人財育成を推進する未来挑戦部を、社長直轄の組織として創設しました。

この部署の設置は一人の社員の提案から始まりました。自ら組織をつくり上げ未来を築こうとしていることは、喜ばしいことです。

当社はモノづくりの会社です。一つの製品をつくるのには、さまざまな人の協力なしでは成り立ちません。またモノづくりにはときに長い時間が必要です。当社のリーダーは、こうしたモノづくりの基本を理解したうえで、高い視座と長期的な視点で未来に挑戦していけるスキルと誠実な人間力が求められます。それができる人財を育てるのが未来挑戦部の役割です。

未来挑戦部で主催したリーダー研修には、私と役員も参加して社員と直接対話する機会も設けました。20年、30年後に石塚硝子をけん引するリーダーに育ってくれることを期待しています。

持続可能な社会の名脇役でありたい

当社が手掛ける容器類の多くは、料理や飲み物を入れる脇役的な存在に過ぎないかもしれません。しかし、脇役なくして主役である料理や飲み物は皆さまの口へと届きません。映画などの優れた物語では必ずと言っていいほどバイプレーヤーが深みをもたらしているように、世の中に欠かせない存在として人々の生活に寄り添える企業であり続けたいと願っています。今後は飲料・食品メーカーとともに高品質で環境にも配慮した容器の開発に挑むケースが増えていくでしょう。縁の下の力持ちとして持続可能な社会への貢献に誠実に取り組み、“名脇役”としての役割を全うできるよう、お客さまのご要望に真摯に応えていきます。

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